京都三条【master-piece coffee KYOTO・マスターピースコーヒー京都】 呉服問屋だった町家カフェでお庭を眺めながら…
こんにちは、トルテです
本日は京都三条にありますカフェ、
【master-piece coffee KYOTO】
旧名は【KissaMaster】。
バッグブランド【master-piece】が手掛けるコーヒーショップです。
河原町から三条通りを烏丸通りに向かってすぐ、とってもわかりやすい場所にあります。
店内の様子
元々は呉服問屋だった建物。京都の町家の風情をそのまま残した店舗になっています。
先ずは入り口の石畳からご案内。
これは【つくばい】でいいのでしょうか?
町家にあったものなのでしょうかね。
併設のバッグショップの前をっ通って…
カフェの入り口です。
カフェスペースは1階と2階にありまして、それぞれテイストが異なります。
こちらは2階です。
観葉植物がたくさんあって、どこかビンテージな感じ?
テーブルは4か所。
お庭が見える一番奥が人気でしょうね。
2階にもショップがあります。
さて、1階に降りてみましょう。
1階はすべて畳敷きなので、入り口で靴を脱ぎます。
なので、靴下には気を付けましょう(笑
カウンター席は、♡な2人で常に満席。
奥のテーブル席ですが、掘り込みになっているので足は楽チン!
全席お庭に面しているので、どこに座っても眺めは最高ですよ。
きっと立派な呉服問屋さんだったのでしょうね。
とてもステキなお庭です。夜も雰囲気があってよさそうですよ。
本日のドリンク
【 バナナコーヒーフラッペ・750円】
コーヒーとバナナ。
考えつかなかったこの組み合わせ。意外に合います。
バナナだけだとドロッとして甘ったるいですが、コーヒーが合わさることで、いい感じのバナナジュースになります。
上には生クリームとキャラメルソース。混ぜてしまわない方がおいしいかも。
【メロンクリームソーダ・730円】
昔懐かしいクリームソーダですが、ここ数年人気ですよね。
特にこのメロンソーダは、とにかく色がきれい。
逆光なのが残念ですが、きれいな緑色ですよ。
明かりが暖色だとこうなってしまうのですが、本当はものすごく綺麗です。
二つ仲良く。
メニュー
LIMITED MENUは季節によって変わります。
こちらは3月のメニューです。
店舗情報
<マップは何故か旧名のままです>
営業時間 11:00~20:00
所在地 京都市中京区三条通富小路東入中之町26番地
連絡先 075-231-6828
master-piece coffee KYOTO | master-piece (マスターピース)
駐車場情報
三条界隈は【キョウテク・京阪三条駅パーキング】が一番です。
京阪・三条駅のすぐ裏、259台収容のかなり広いコインパーキングです。
・平日昼・30分200円(最大1000円)
・土日祝昼・40分300円(最大1300円)
最後にちょっと無駄話 町並みを守るとは
減りつつある町家
京都では今回のカフェのように、町家をそのまま店舗や宿泊施設として利用している例がたくさんあります。
それでも町家の件数は年々減っていくばかりで、昔に比べて随分マンションが増えたなと、少し寂しい気分です。
京都市が5年ごとに「京町家まちづくり調査」を実施していますが、
最新の2017年調査によりますと、調査対象1121軒の内、滅失した町家は約1割の121軒(調査地区は上京区・下京区の一部)。
更に残っている町家の約1割が空き家で、取り壊し予備軍とも言えます。
調査当時、京都市内には40146軒の町家が残っていましたが、
滅失・空き家の割合は抽出調査とほぼ同じなので、この4年で更に4千軒ほどの町家が滅失しているのかもしれません。
京都市内最古の町家が解体
町家の滅失と言えば、2018年の「川井家住宅」解体問題がありました。
きさらづ界隈通信|古都京都では歴史ある町家が、毎年取り壊されている | Rの会
川井家住宅の起源は室町時代まで遡るそうで、その歴史的価値は重要文化財級であると言われていました。
所有者・業者・京都市のそれぞれが保存に向けて手を尽くしたそうですが、結果として協議は物別れとなり、2018年の夏に惜しくも解体されてしまいました。
跡地には賃貸マンションが建つそうです。
町家住人の苦労
川井家住宅の所有者が住宅を売却した理由として、次のように語られたそうです。
市は景観面などから街の公共財として保存を求める一方、所有者が建物維持費や税負担などの軽減を訴えても私有財産として自助努力を促された。
文化財指定して公開保存する方法はあるが、元自宅に多くの人に踏み込まれることには抵抗があった。
一般公開している町家と言えば、四条烏丸の【杉本家住宅】が有名ですね。雑誌やTV番組でよく取り上げられています。
その杉本家住宅の所有者・杉本節子さんがインタビューで、「自宅を残すためには大変な覚悟と決断を要した」というようなことをおっしゃっていました。
自宅を文化財指定にして一般公開することは大きなストレスを伴うでしょう。
その上、人生の大半を「家屋を残すため」に費やすわけで、おっしゃる通り相当な覚悟が必要だったと思います。
京都市では日本一厳しい景観条例と、町家保存のための京町家条例が制定されていますが、それでも一般の町家に対する補助金は、決して多いとはいえません。
改修の上限は250万ですからねぇ…、しかも1年に数件ずつらしく、10年近く待っている方もいるんだとか。
補助金の少なさは一般の町家だけの問題かと思いきや、そうではなさそうです。
京都御所のお向かい、同志社大学に隣接する冷泉家のお屋敷。
完全な形で現存する唯一の近世公家屋敷で、多くの国宝を保存されています。
平成6年~12年の大改修では、冷泉家の負担額は1億円を超えたそうです。
これは大変すぎる…。
国の負担は、基本的に2分の1。様々な要件を考慮しても、上限は85%。
「多いやないか」と思うかもしれませんが、費用が桁違いに高額ですからね。
冷泉家当主「国宝を守るには自助努力だけでは困難」 (1/1)| 介護ポストセブン
「こういう苦労は、自分の代で終わりにしたかった。(川井家住宅の所有者)」
この気持ち、わからないでもないなぁ。
維持して当たり前、売れば非難轟轟って…大変なものを相続しちゃいましたねと、ちょっと気の毒な気もします。
スクラップ&ビルド脱却は可能か
町並みを残しているヨーロッパは、いったいどうしているのでしょうか? 旧市街を丸ごと残しているのはすごいと思います。
その辺りの事を、都市建築学者の宗田好史先生がイタリアの例をあげて語っておられます。
結論としては、町並みの保存と景観保護は行政主導だけでは限界があって、市場原理が動かないとダメだと言う事らしいです。
つまりは「きれいな町並み=儲かる」にならないとダメってことなんですね。
7ページあって長いですが、興味深い内容なので関心のある方はどうぞ。
住む人の権利と町並みの保存。
私をはじめ部外者は何とでも言えますが、最後はそこに住む人々が納得するかどうかですよね。
いい感じで折り合いがついて、京都の町を保存できたらいいなと思います。