関西まいにちカフェ日記

京都と大阪、おいしいものを綴ります

千本今出川の老舗喫茶「静香」 フルーツサンドが絶品です! 

お店訪問は2019年の11月です。

コロナで外出自粛中のため、

しばらくは、過去に撮りためたものを放出いたします(^^♪

  

こんには、トルテです。

 

本日は京都は千本今出川のカフェ

「静香」 

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昭和12年創業の老舗で、

カフェというよりは「喫茶」、

あるいは「カッフェー」と呼ぶのが合いそうなノスタルジックな佇まいです。

  

店名の「静香」は、「静香」という先斗町<ぽんとちょう>の 芸妓さんが始めたのでこの名前だそうです。

 

2016年にリニューアル。

その際に枠を赤に塗り直し、ちょっとモダンな感じになりました。

でもインテリアは、ほぼ創業当時のままだそうですよ。

 

店舗入り口のガラス。

模様の入っているこのガラス、雰囲気ありますねぇ。

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店内から見るとこんな感じ。

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店内の様子 

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店内もやはりノスタルジックな香りがいたします。

床もカウンターもタイル張り。

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この青いタイル、いいですよねぇ。

 

椅子の座面のビロード(でいいのかな?)がなんとも良い雰囲気です。

昔は電車もバスも、座面はみなこの生地でしたね。

 

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子供の頃、バスに座った時によくやったこと。

それは、座席の生地を指先でギギーッとなぞること。

 

ビロードやベロアって生地に毛並(?)があるので、

それを逆立てると色が変わるんですよね。

何度も何度も指でなぞっては、色が変わるのを面白がっていたなぁ。

 

こら! 生地が傷むっちゅうねん!

 

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壁際にひっそりとたたずむおじさん。

ひょっとしてチャップリン?

…良い味、出してます。

 

本日のスイーツ

 

フルーツサンド 650円

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静香さんのフルーツサンド、私、大好きなんです。

パンがふわふわでケーキみたいに柔らかく、

ほんのりピンク色の、すこ~し酸味のあるクリームには、カスタードがブレンドされています。

そして程よいフルーツの量と大きさ。

 

京都にはフルーツサンドがたくさんありますが、

個人的好みでは、北野白梅町の「クリケット」さんと同点1位です。

 

おいしさとお値段を考えると、私の中ではどちらも1位のおいしさです。

 

ホットケーキ 400円 

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とろ~りバター。

贅沢に流したメープルシロップ。

食べ応えのあるおいしさです。

お昼ならこれだけで、結構お腹はふくれます。

 

ブレンドコーヒー・アイス 400円

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このステンレスのカップが良いですねぇ~。

ガラスとは違って、手にしっとりとした冷たさが伝わります。

コーヒーはサイフォンで入れてくれます。

 

その他のメニュー

 

軽食もあります。

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モーニングもやってますよ。

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 どれも、京都市内としてはリーズナブルな価格設定です。

 

お店を出ると、上の方に可愛い看板が見えます。 

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店舗情報


*営業時間 9:30~17:30

*定休日  水曜日(祝日と25日は営業)

分煙です。 

 

最後にちょっと無駄話 昭和12年

 

喫茶静香が創業したのは昭和12年。

西暦で言うと1937年。

この年はどんな年だったのでしょうか?

 

いろいろ起こっている昭和12年

 

 一言で言うと「世界大戦前夜」でしょうか。

日中戦争の始まりとなる「盧溝橋事件」はこの年で、前年には2・26事件が起こっています。

 

スペインではピカソの作品で有名な「ゲルニカ爆撃」、ドイツの飛行船事故「ヒンデンブルク号爆発事故」もこの年です。

 

これは事故の瞬間を捉えた有名な写真です。 

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出典:wikipedia

 

不穏な空気漂う昭和12年ですが、暗い事ばかりでもなく、

華やかな「パリ万博」が開催されたり、

国内では東宝映画、デパートの丸井などが開業したり、ヘレン・ケラーが来日したりもしています。

 

アメリカのゴールデン・ゲート・ブリッジが完成したのもこの年です。

この橋、自殺の名所となってしまいますが…。

 

金の鯱の鱗盗難事件

 

さて戦乱への入り口みたいな年なんですが、調べていますとこの年の初め1月6日に事件がありまして、

なんと名古屋城の金のしゃちほこの「うろこ」が盗まれています!

 

盗まれたうろこは58枚。

全部で110枚あった金の鱗の約半分がなくなったってことで、名古屋城は大騒ぎ。

 

当時名古屋城では天守閣の実測調査が行われていて、そのための「足場」を組んでいたんですね。

 

この「足場」に目をつけた犯人。

昼間の見物客に紛れて天守閣を訪れ、そのまま潜んで夜になるのを待ち、足場を登って犯行に及んだんだとか。

 

翌日、測量の技師さんが発見したそうですが、びっくりしたでしょうねぇ。

大事な鱗がペンチで無残に剥ぎ取られていたんですからねぇ。

 

当時の新聞(東京朝日新聞)では

「無残 名古屋城の金鯱 鱗58枚剥奪さる 40萬円の空中怪盗」

という見出しで報じられたそうです。

まさに「空中怪盗」ですよねぇ。

 

被害金額はいかほど? 

 

当時の40万円ってどのくらいの価値だったのでしょうか?

 

米の値段が10キロで60銭くらい、

鮭の缶詰が13銭、公務員の初任給が17円の時代です。

 

だから…え~と…。

 

でも本当は当時の価格で6000円ほどの損害だったとの報もあります。

 

6000円でも5千万~7千万くらいになるのではないでしょうか?

結構な金額です。(計算ミスはご容赦を) 

 

犯人は1月の下旬に逮捕されるのですが、自分で金の延べ棒にするために、溶解用の「るつぼ」まで用意していたそうです。

 

部屋の中でひそひそと、るつぼで金塊を溶かす犯人。

 

なんだかぞっとっする映像ですね。

 

でこぼこの延べ棒を貴金属店に持ち込んだところで御用となったそうです。

 

今はもう盗めない 

 

犯行に及んだ理由なんですが、一説では、別れた妻子を探す資金がほしかったと。

 

本当かどうかわかりませんが、それまでにも何度も窃盗を繰り返していたこの男。

もし妻子がいたとしても、来てほしくないでしょうねぇ。

 

名古屋城の金のうろこ、現在は特殊なボルトでつながれていて、専用の器具がないと外せないそうです。

 

もう狙われることもないでしょうね。

 

ボルト以前に、これだけ防犯カメラが張り巡らされていたら、一発で見つかりそうなものです。 

 

いろんなことが起こっていた昭和12年。

そんな時代に開いた喫茶店が、今でも残っている。

なんとも感慨深いですねぇ。

 

 

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 ***お読みいただきありがとうざいました。